Jem Cuoio Artigiano 中川工房

革小物を製造している中川工房のブログです。更新は少なめですがSNSでは出来ない長文や写真でのお知らせなどを掲載しています。 また本革のエイジングサンプル集など革について知りたい方のページもあるのでご覧ください。 レザーソムリエProfessional(中級)資格・古物商許可所持

2017年12月

革小物を製造している中川工房のブログです。更新は少なめですがSNSでは出来ない長文や写真でのお知らせなどを掲載しています。

また本革のエイジングサンプル集など革について知りたい方のページもあるのでご覧ください。

依頼品 栃木レザー アクティベーターホルダー

今年最後のブログ更新になります。今回は依頼品の紹介です。

栃木レザー製アクティベーターホルダーになります。
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カイロプラクティックの方が使う道具にアクティベーターというのがあるのですが、それをベルトから吊るす際のホルダーです。

基本は前に作った渓流釣り用のロッドホルダーを変形させたものになります。

依頼者の注文でロッドホルダーのようにベルトで固定ではなく、ベルトなしですぐに出し入れ可能にして、ある程度前に飛び出ないようにしてほしいとの要望でこのような形になりました。

この山の部分は折れ曲がってしまうと保持できないので、中に芯材を入れて裏革をつけて強度を保てるように加工しています。

表に使った革もオイルシュリンク キャメルの一番シボが強く出ていた部分を使って個性を出してみました。

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ベルトに通して使うので、その部分は折り曲げた革の厚みによって、ベルトを通しやすいように縫いつけています。

試しに通したベルトは幅40mm、厚さ2.5㎜ほどの物を通していますがすんなりと通すことができます。

使った革の厚みが2.5㎜ほどの物を使用したため、コバが厚くなりすぎるとゴツイ感じに見えるので、本体側の内革を形を変えて中に潜らせるようにして縫い付けています。

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裏から見ると、思ったよりも縫う部分が多くなっています。それと、こちら側には弱シボの部分を使ったので、同じ革なのですが印象がガラッと変わります。

こちらは今年最後の完成品となります。依頼者の方に来年から使っていただきたいと思います。

来年も色々と製作を進めてゆきたいと思います。ヤフオクでの出品は1月5日ぐらいからを予定しています。それまでに出品できるものを増やしとかないと・・・

ではみなさん、元気にお過ごしください。

ルガトショルダー ロールペンケース 1222

今年最後のロールペンケースになります。

使用レザーはルガトショルダー 赤、縫い糸はビニモMBT 赤です。やはりルガトはいい色しています。

内装の部屋は40mm2室、45mmと50mmが各1室でいつもより若干広めの内装です。


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硬めの革なので、あらかじめ中を慣らしてマチができるようにしています。また、ハトメ側の方はナチュラルカットになっています。

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少しだけだけど、ハトメに本金メッキの物を使用して、ワンポイントとしています。

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コバの部分は磨き仕上げです。また、外周部分の方はさらに染色して仕上げています。


今回のロールペンケースではないですが、以前に撮影したエイジングサンプルです。赤の色合いを保っています。

私の方がかなり忙しいので、こちらは年明けに出品予定です。今出品している物も27日頃に一度すべて終了する予定です。もし、購入希望の方はお早めに!


色々とレザークラフトで作ったものやたまに掘り出し物なども出していますので、よろしければご覧ください。

こちらのリンクはヤフオク
出品中一覧へとリンクしています

今年もあとわずかになりました。多くの方に私が作って革小物を手に取っていただきありがとうございます。

出来ればあと一回ぐらいはブログの更新もしたいですが、仕事の忙しさが…

来年は色々と製作予定があるので、頑張っていきます。

それでは。

レザークラフト 色々なペンケースの形

通常の仕事がこの時期は忙しく、レザークラフトをする時間が取れないため、久々な更新となりました。

しかし、この時期ゆえか多くの方に革小物を手に取っていただく機会が増え、うれしい限りです。しかし、補充が追い付いていない…、しっかりと作れるのは来年に入ってからかなあ~。

今回はファスナーペンケースで製作依頼の問い合わせがあったため、これまで作ったペンケースの形を取り上げたいと思います。

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小さいサイズに良く使われる、三角マチのペンケースです。長さ18cm、マチ・高さが5cmぐらいです。中に入れたあるのがかなり太いペンなため、通常のジェットストリームぐらいなら5-6本ぐらいは入ります。

この画像は試作品で作ったため仕上げが細やかにはしてないのですが、これをプレゼント用とし製作したのがこちら。
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昔に持っていたラティーゴキャメルで作った物です。贈った方には喜ばれていましたね。

今回の製作依頼の方は三角マチではなく、スクエアタイプをご希望だったのですが、型紙を確認すると、小ささと内縫いになるためか、ミシン縫い推奨になっていました。

それで、完全なスクエアではないのですが、前に掲載したラウンドファスナーケースのペンケース版を考えてみます。

これだと外縫いのため、小さくても製作はしやすいです。あとは赤の革を希望ということなのですが、色々な条件に合う革が無い為、実際に依頼をされるかは分かりません。

しかし、ペンケース自体はロールタイプ以外も手に付けたいため、製作をしてみる予定です。

あと、ペンケースといえばこういった形もあります。
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木と革のペンケースです。木工家の方に依頼していた木型が到着しました。上の画像は試作の木型で製作した物ですが、依頼した物はウォルナッツの木になります。

これはどちらかというと高級皮革と合わせて製作してみようと思います。

いずれにしても来年に入ってから製作になると思いますので、完成すればまたブログに掲載したいと思います。

とりあえず年内は作りなれたロールペンケースの補充分とお待ちいただいている依頼品を完成させたいです。

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依頼品の型紙です。これだけ見ると何のものやらかは分からないと思いますが、依頼者の仕事道具のホルダーになります。こちらは栃木レザーでの製作依頼です。

こちらも完成すれば掲載したいと思います。今年もあとわずかです。忙しい時期ですが、何とか乗り切っていきます。


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職場で風邪が流行してるので、うつらないようにしなければと思いつつ。

それでは。

レザーで作るシステム手帳 失敗できないクラウゼ金具編

今回はシステム手帳の組み立てで、失敗すると取り返しがつかない、バインダー金具の取り付けに関しての手順を掲載してみました。

金具編とありますが、つづく保証はありません(ーー;)

4/6 少し情報を追記した部分があります。

少し厚めの革への取り付けに関しても簡単なヒントを掲載してあります。また、金具を外さないといけないという方は赤色の文字のところをご参考ください。

使う金具は「丈夫で壊さないと外れない」と定評のある高級金具のクラウゼ社製の物です。

良く作るバイブルサイズは金具と座金で革を挟む形で取り付けます。

まずは、挟む内革の裏面に金具取付用の穴を開けるための印づけをします。
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必要なのは中央線と金具を取り付ける際の穴あけの印です。ここでは、中央線と穴の上下の印をつけています。この部分の上下の位置は座金ではなく、バインダー金具の方の穴と返しの部分を見て、印づけます。
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レザークラフト ジャンパーホックを真っ直ぐつけるには?

今回はレザークラフトの小話を。よくあるホックの取り付けに関して経験談を載せておきます。

レザークラフトをしていると必ず通る道が金具の取り付けですが、その中でもジャンパーホック(ストロングホック、ドットホック)は失敗することが多いです。

失敗しないように、機械式のカシメ機(ハンドプレス機)を使うことも一つの手ですが、非常に高いのでおいそれとは手が出せません。

よくある失敗が、まずは真っ直ぐに付けれない、途中で曲がる
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打つうちに長さがなぜか足りなくなって、そもそも付けれない
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で、この原因なのですが、打つ土台のパーツを見ると
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土台が外に膨らんでいます。本来は逆にへこんでいる(ラッパ状)のが正常なのですが、打つ際に下がってしまうようです。その際に傾いたりするのが真っ直ぐ打てない、もしくはうまく取り付けれないことの原因です。

この時にラッパ状の部分の変形でオールマイティプレートとの間が無くなるため、ハンマーの衝撃の逃げ場がなくなり、曲がってゆくのではないかと推測しました。

これは、足のパーツのラッパ状部分が、打ち棒でカシメていくと徐々に足が下がってしまい、上の写真のようになってからカシメが始まるというのが原因です。

他の方でジャンパーホックをうまく打つために最初に3枚目の写真ほどではないにしてもラッパ状の部分の凹みから水平になるまで打ってから取り付ける方もいます。

私もピンポンチと高ナットを組み合わせて、足が曲がらずに、土台が水平になるようにしてから打ったのですが、それをすると2枚目の写真のように適正厚みなのに取り付けに長さが足りないという事態になります。また、それでも曲がることありました。

もしくは、ギリギリの取り付けになって、なんかの拍子に外れそうなぐらいしかカシメれないこともあります。
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他の方の方法だと自分は合わないようです。で、よく考えてみると、足の長さは本来最初の状態のまま取り付けることが前提です。

土台が外に膨らむと中の革などに金具の膨らみなどが出てしまう為とそもそも足が短くなってしまうこともありますが、このパーツはラッパ状ゆえに本来は曲がりにくくなっているはず。

それで、別の方向から考えてみました。そして、あっさりと解決してしまったのですが、問題は道具にあります。と言ってもハンドプレスに手を出したのではありませんが、もう少し安い方法です。

同じサイズのホック用打ち棒ですが、左が通常の物、右がプロホック打ちなどと呼ばれるものです。今までの写真は通常タイプを使って打ってきました。
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明らかに先端形状が違います。通常のは球体、プロ用は円錐状です。材質も違いますが、どちらかというと先端形状の違いゆえに取り付けやすいようです。

というのも、球体だと足のラッパ状の部分が下がってゆき、硬い土台に接触してからカシメ始めるのに対し、プロ用のはオールマイティプレートなどに接触するより先に足の穴が先に広がって、ラッパ部分が下に膨らむ前にそのままカシメるように力が入ります。

同じようなことをホック打ちを使う前に菊割り棒を使ってから、ホック打ちを使うという方がいましたが、原理的には足の穴が広がってカシメやすいようにするということで考えは一緒のようです。

プロ用の打ち棒はどちらかというとレザークラフト用品を専門で扱う、もしくは取り扱いが多いお店でないと扱われてないことが多いようです。

自分がよく行くお店だと通常のは360円、プロ用は730円という値段差もありますが、たくさん金具を取り付けるという方の場合、プロ用を最初からそろえた方が失敗して全てがオジャンになる危険性を考えると安い投資かもしれません。

それで、プロ用で打つとこうなります。
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実は本来の適正厚みより分厚い革につけています。最初通常の打ち棒で、しかも足長タイプを何とかつけたのですがすぐに取れてしまい、いろいろ悩んだのが、プロ用の打ち棒を購入したきっかけです。

通常の打ち棒で打ったものとプロ用で打ったものとを比較すると
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カシメている部分が明らかに違います。しかも、よく見ると下の通常の物で打った方は中で足が折れ曲がってしまっています。安定性や強度だと当たり前ですが、上のホックの方が上出来です。

というわけで、もしたくさん金具をつける、もしくは失敗ができない場合はプロ用のホック打ちを使いましょう。(もしくはハンドプレス機だと、もっと安定するけど値段がね)

ちなみにこの写真を撮るついでに今年使った革製品の手入れも少ししました。

スマホ用のウエストポーチです。毎日のように仕事場で使っています。
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手入れをしたら艶が出て、トラ杢もはっきりとしてきました。開閉部分の真鍮無垢のMKホックをいい感じに古びてきています。
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こちらもよく使う愛用の鞄です。B4サイズまで対応したビックダレスです。今はこのサイズのダレスバックを使う方も少ないのではないでしょうか。旅行の際の着替えなら1泊分くらい入ります。

こちらも手入れをしましたが、購入当時は赤みが強かったのですが、長いこと使うにつれて落ち着いた色調になってきました。

最初の色合いが不人気なためか、今はこの色の物は販売されていないようです。ですが、長いこと使うといい感じになるのですが、そこまで使う方もいないのでしょうね。

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さて、今年もあとわずか。何を作りましょうか。
それでは。

レザークラフト 試作ラウンドファスナーケースの失敗


今の定番以外の物も製作できるようにと試作していたのですが、失敗してしまいました。

目指すところはファスナータイプのケースでなるべくマチが大きく取って内部容量を最大限にすること、製作に当たり手順を簡易的なものとして、コストを少なくすることです。

で、マチを大きくするためにレザークラフトの本の流用で、帯パーツを使ってファスナーを取り付ける方法で試作してみました。

パッと見た目はこんな風に上手に出来たと思ったのですが、
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よく考えたら、この作り方だと(本の通りの帯パーツの使い方だと)、ファスナが内側に落ち込むような力がかかってしまいます。

結果、内部容量が減ってしまい、目指すところの容量に足りませんでした。それと、手順的にも幾らか手間取りやすく、この方法はダメなようです。

帯パーツを使うというのは色々と応用がきくのですが、使う際は今と帯の曲げる方向を逆にしたり、内革を貼る必要がありそうです。

というわけで、これは道具入れにします。

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これまでバラバラだった菱目錐の類をまとめて入れておきます。ちょうどよいサイズに収まりました。

そうなると、目指すケースを作るのに少し考え方を変えないといけないようです。使うファスナーを含めていろいろ思案してみます。

今日で12月、秋が過ぎて今年もあと少しになりました。ふと見ると、
玄関の観葉植物の中に小さな紅葉が…
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色々とレザークラフトで作ったものやたまに掘り出し物なども出していますので、よろしければご覧ください。

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それでは。

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