Jem Cuoio Artigiano 中川工房

革小物を製造している中川工房のブログです。更新は少なめですがSNSでは出来ない長文や写真でのお知らせなどを掲載しています。 また本革のエイジングサンプル集など革について知りたい方のページもあるのでご覧ください。 レザーソムリエProfessional(中級)資格・古物商許可所持

2018年04月

革小物を製造している中川工房のブログです。更新は少なめですがSNSでは出来ない長文や写真でのお知らせなどを掲載しています。

また本革のエイジングサンプル集など革について知りたい方のページもあるのでご覧ください。

レザークラフト カードケース 2タイプ製作


これまでに何回かカードケースを出品していきましたが、今後は少し型を変えていこうと思います。

その2つの型ですが、簡単いえばホックがあるかないかの違いです。
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まずは、今までに作ってきたタイプですが、ホックなしのシンプルなものです。
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ご覧のように、シンプル故に作りやすいのですが、しっかりと折り癖をつけないといけないというのが悩みの種でした。

製作後に1週間ぐらい癖をつけるのですが、以前のコードバンのように革の種類によっては折り癖がつきにくい物もあります。

それで、ベルト式のホック付きの物も製作したのですが、使ううちに一番ベルトが消耗しやすく、耐久性に難があると考え、型を少し変えてみました。

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形は何の変哲もないものですが、これによって硬い革だろうと癖をつける必要がなくなり、製作が滞ることなく仕上げることができます。

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横から見ると隙間が多く見えますが、カードを入れた状態を想定した設計のため、カードなしだとこんな感じになります。
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カードホルダー自体が開閉した際に少し動くので、ホルダーを挟む部分は片側は短めの帯で、動きやすくしてあります。

新しい型のメリットとして、全体を覆っているのでカバンなどに入れてもホルダーが痛みにくいことです。

デメリットは全体的に厚みが増えるのと、価格が上がる点です。

ただ、常にポケットに入れる方はともかく、カバンに入れる方などは新しいタイプの方がいいと思います。

それと、以前質問にあったのが、「名刺が入りますか?」ということですが、カードホルダーはレイメイ藤井のホルダーを使っており、名刺も通常サイズの物は入れることができます。

また、ホルダー自体が痛んでも、購入者の型がホルダーを変えていただければそのまま使うことができるので、市販品のホルダーと一体型の物と比べれば、かなり長い事使うことができると思います。

一応、私が製作する物に関しては、部品として交換が必要になりような所は、ご自身で交換できるように、と考えています。(例えばロールペンケースの革紐もハトメに通しているので色々な紐に変えていただけるようになっています)

今後はこの新しいカードケースに移行していきますので、どうぞよろしくお願いします。また、旧型でもご希望があれば製作できますのでご相談ください。

ちなみに新型は依頼品のため、納品をさせていただきました。旧型はそのうちにヤフオクにて出品しようと思います。


色々とレザークラフトで作ったものやたまに掘り出し物なども出していますので、よろしければご覧ください。

こちらのリンクはヤフオク出品中一覧へとリンクしています



それでは。

栃木レザー サドルレザー ファスナーペンケース

栃木レザー社サドルレザー ナチュラルで製作したファスナーペンケースです。

縫い糸はビニモMBT #1 茶、ファスナーはYKKの物です。

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がっちりしたペンケースとなっています。ファスナー部分の革は水で濡らして型をつけてから組み立てています。

構造的にも、使用した革も厚いので型崩れしにくいです。

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コバは磨いた後にコバワックスを電気鏝で熱して入れて強度を上げています。

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一点だけ難があります。写真撮影時に気づいたのですが、こちらのファスナーの穴部分でふちに切り傷がありました。

写真だと分かりづらいかもしれませんが赤丸の部分です。

組立前なら修正できたのですが完成後ではどうにもできず…

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マッキーなどを入れると約8割ぐらいの容量です。通常のボールペンなどだったら6-8本ぐらいは余裕があると思います。

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中の床面部分もしっかりと押さえ処理をしています。

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エイジングサンプルです。いいキャメル色に変化します。実際使用してゆくとこれに艶も加わると思います。

ここからはこれの製作に関する雑談です。

こちらは本来年末にリクエスト頂いたものでした。スクエア型とのご希望でしたが、その型だとタンニン鞣しで手縫いの場合、綺麗に仕上げられない可能性が高かったため、この構造で製作させていただく予定でした。

しかし、様々な事情でしばらくレザークラフトをすることができなくなり、一度お断りいたものです。今回少し時間が取れたので製作したのですが、まず革を探すのが大変でした。

ピット鞣しで赤かナチュラルという希望でしたが、手持ちの中にはなく、かといって半裁を買うと数万円の出費になります。

端切れか巾売りで探していたのですが、ds単価が非常に高く、ある革屋さんでは製作するサイズの革で3500円ほど(送料別)というお値段、確実に予算オーバーです。安いサドルレザーというのも売ってはいるのですが、大抵の物はピットなめしではなくドラムなめしにて作られたサドルレザーのため、ピットなめしを探すとなるとそれなりの値段でなければ販売していません 。

ということでなじみの問屋さんにいくつか探している話を伝えて、見つけてもらったのが栃木レザーの端切れでした。何とか予算的にOKな範囲だったので製作に移れました。

そして、もしリクエスト頂いた方が、まだお待ち頂いていたならばということで、革+副資材+ヤフオク手数料でキリのいい値段で出してみます。

実際は試作品などの手間や型紙の製作などを考えるとこの価格は原価以下です。

オークション形式なので値段が上がれば工賃分となるのですが、逆にスタート価格で終わる可能性もあります。

こちらは週末に出品予定ですので、よろしければご覧ください。


色々とレザークラフトで作ったものやたまに掘り出し物なども出していますので、よろしければご覧ください。

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たまには儲けなしでの仕事もあるよね、と考えながら。

それでは、また。

1円スタートの訳ありレザークラフト コードバン製キーケースとカードケース

コードバンでの製作物でいくつかの失敗などがあり、いままで置いておいた革小物の紹介です。いつもは一つ一つ紹介するのですが、今回はまとめて3つ紹介させていただきます。

前回の記事と内容がほとんどかぶってしまっていますが、写真を改めて撮ってみたので掲載します。

こちらは訳あり1円スタートでオークションに出してみようと思います。訳ありの理由として、機能には支障が生じない仕上げなどの失敗、長期保管による表面の擦りキズなどがあります。

良くご確認いただければと思います。

まずは紺色のキーケースです。写真右上のあたりにすりキズの線があります。
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内装のキー金具の台座の革が右側が斜めになっています。内装の革には豚ヌメグレーを使用しています。

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青イルカは約80㎜の長さなので、大抵のカギは入るかと思います。


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コバは磨き仕上げです。

2個目は紺色のカードケース(20枚カード収納型)です。


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これの大きな失敗はサイズの間違いによって、中のカードホルダーを少し横幅方向に小さくしないと入らないという点とそのカードホルダーに折れ曲がりの白い跡が入ってしまったという点です。

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実際カード入れるという点においては問題はありません。20枚収納型のホルダーを装着しています。

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コバは染色して、防染剤で仕上げています。若干色むらがあります。

もう一つの訳ありとして折り癖がなかなかつかず、机の上に置くと半開きになってしまうという点です。

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これくらい開いてしまうのですが、使うにつれて折り癖がしっかりとつくのかは不明です。

3個目は黒色のシンプルカードケースです

赤の糸で縫っています。
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こちらも折り癖がなかなかつかず半開きになってしまいます。


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また、コバの仕上げが甘く、2枚の接着が上手に一体になっていない部分があります。

また、縫い目がコバと異様に近い部分があります。強度的には問題が無いと思いますが、縫い目としては綺麗ではないというのが訳ありです。

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こちらはカードを2枚入れることができます。サイズ的には紺色のカードケースのようにカードホルダーも装着できるとは思いますが、落札者ご自身でホルダーのご用意をなさってください。

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全体的に縫い目が上手にはできていない雰囲気があります。

いずれもコードバン製のため、本来ならばいい値段がするのですが、この訳ありでは…、と保管していたのですが、今回は放出してみることにしました。


これから出品してゆきますので、よろしければご覧ください。


色々とレザークラフトで作ったものやたまに掘り出し物なども出していますので、よろしければご覧ください。

こちらのリンクはヤフオク出品中一覧へとリンクしています

やっとこさ、コバ処理剤が入荷して製作が進められると安堵しながら。

それでは、また。



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