Jem Cuoio Artigiano 中川工房

革小物を製造している中川工房のブログです。更新は少なめですがSNSでは出来ない長文や写真でのお知らせなどを掲載しています。 また本革のエイジングサンプル集など革について知りたい方のページもあるのでご覧ください。 レザーソムリエProfessional(中級)資格・古物商許可所持

2017年01月

革小物を製造している中川工房のブログです。更新は少なめですがSNSでは出来ない長文や写真でのお知らせなどを掲載しています。

また本革のエイジングサンプル集など革について知りたい方のページもあるのでご覧ください。

レザークラフトでお世話になった方々

今回はルガトショルッダー 赤 角マチ型カバンでお世話になった方の紹介です。
 
見たことあるお店などもあるかもしれませんが、これからレザークラフトを始めようという方がおられれば、ご参考になればと思います。
 
Countless River様


底鋲とシニュー糸を購入したお店。

縫い糸だけでも様々なものがあり、見たことのない種類もあります。また、輸入のレザークラフト金具も豊富に取り扱っておられます。

また、少量なら安めの送料でも配送いただけるので助かります。


愛産商会様


名古屋にあるレザークラフト店です。比較的行きやすい場所にあるためちょくちょく行っています。革、内地や染料、様々な道具を購入できます。

この作品のルガトショルダーを購入した際には知らなかったのですが、ここではルガトショルダーの半分サイズを割り増し価格無しで購入することができます。

ぜひ、興味を持たれた方はお尋ねください。もれなく、表のお店ではお姉さま方が、奥の革倉庫ではおじさま方がお出迎えしてくれます。

革は、HPの革以外にも一枚限りの革やサドルレザーの端切れなどがあるので、少しの革で練習から始めたいという方にも良いと思います。
 

レザークラフトフェニックス様


ルガトショルダーを購入したお店です。

ここの特徴は2割増しの価格になりますが、革のカット販売をしていただけることです。

1dsからでも、数センチの巾単位でも販売していただけるので、この大きさの革だけ欲しいという方にお勧めです。

さらに品質の高いオリジナルレザーの販売もしておられたりと、近畿地方ではよく知られているお店です。

また、ブログなどではレザークラフトの知識や技術が載せられたり、メールでも技術的な相談に乗っていただけるので大変助かります。(コバ仕上げの相談に乗っていただき大変助かりました。)
 
幸村(コウムラ)

本金カシメを購入したお店です。

名古屋市伏見にある様々なカバンや装飾物の金具・パーツを取り扱われるお店で、愛産商会様にご紹介いただきました。

ここのカシメが無ければ今回のカバンは大幅な変更を余儀なくされたかもしれません。

お伺いした時には所狭しと部品が置かれていました。5万点もの部品を取り扱っておられるので、自分で修理しようと思って、もし、部品が見つからない時には、ここに問い合わせしたら見つかるかもしれません。

 
今回は製作に当たってお世話になった方々の紹介ですが、いずれのお店もネットでも対応していただけるので、様々な地方でも役に立つかとは思います。この記事を見られて少しでも役立てればうれしいです。
 
いずれのお店でも今回のブログ掲載を快諾いただき、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

特注品 さびにくい革包丁 美貴久 V金10号鋼素材

今回は新しく手に入れた道具の紹介です。

購入したお店はこちら 「みきかじや村」様

こちらの革包丁を購入しました。

イメージ 1

美貴久の36mm平刃革包丁ですが、題名に特注品とあるように、通常の販売品とは違います。

何が違うかというと、
イメージ 2

ここの部分が違います。とはいっても、模様がついているというからではありません。

通常の革包丁は青鋼2号で製作されています。ですが、この革包丁は刃の部分をV金10号鋼(刃物用ステンレス鋼)とステンレスの合わせで製作されています。

以前から革包丁が欲しかったのですが、手入れに関して滞ってしまい、錆びさせてしまうのではないか、と思い購入を控えていました。

岐阜県関市などのお店にも行ったのですが、目的にかなうものがなく、色々と探していたところ、みきかじや村のHPで、

「当店は三木金物にこだわり普段あまり見ることのできない『本物逸品』を、鍛冶屋さんと一緒に選んで紹介してます。
また、それだけではなく他産地の金物や、みきの鍛冶屋・メーカーが作っている金物以外の変わった商品をご紹介していきたいと思っております。
他にもこんな金物無いの?とか、こんな金物作れないのか?とかございましたらお気軽にお声掛けください。」(HPより引用)

とあったので、ダメもとでさびにくい材質で作れないかと相談したところ、

「以前、特注品で製造した物で残っている物があります」

とのご返事が。

材質的な問題か、
製作が大変難しく今後製作しないそうですが、以前の在庫が残っていたので、それを2本購入、値段も1本で税込3000円と通常の革包丁に少しのプラスで購入できました。

問合せした時点で、36mm平刃が10本以下、24mm平刃が数本残っているそうです。

青鋼の方がよく研ぐならば、切れ味などは勝るようですが、手入れの事を考えると自分の場合は、この革包丁の方が相性が良いです。

さっそく試してみましたが、よく切れます。あとは、自分でしっかりと研いで切れ味をどこまで維持できるかです。

もし、同じようにさびにくい革包丁をお探しならば、一度「みきかじや村」様に問い合わせしてみてください。

他にも左利き用の革包丁の製造や名入れ、オリジナルの刃物なども請け負っていただけるようですので、一度刃物に興味のある方でも覗いてみると楽しいですよ。

ルガトショルダー 赤 角マチ型カバン 


かなり時間がかかってしまいましたが、やっとのことで完成しました。

作品:ルガトショルッダー 赤 角マチ型カバン

裏地:ペイズリー ブロンズ ワイン

底板:ベイカー社 ブライドルレザーの床革

使用金具:本金メッキカシメ 11.5㎜ 8個 / 真鍮底鋲 5個

縫糸:総手縫い シニュー糸 赤(本体部分) / ナイロンボンド糸(取手部分) 


コンセプトは

①ルガトショルダーのトラ杢を見せるために最小限の金具しか表面に出ないようにする

②内部容量を最大限に使う

③重い物を入れたとしても大丈夫な強度

ということで作りました。

以前からいくつかの写真は掲載していましたが、完成した状態が下の写真です。(画像をクリックすると大きめの写真を見れます)

イメージ 1
イメージ 6

いい赤とトラ杢です。革の宝石と呼ばれるだけの価値があります。

表に出ている金具はカシメと底鋲のみです。

縫いはすべて手縫いでシニュー糸を撚ってから縫っています。

イメージ 10


マチ部分は角マチにしています。かっちりとした形になります。

しかし、革が厚さの割に硬く、10mmの曲げにしましたが、15mmの方が製作しやすかったかもしれません。


イメージ 5

画像では残っていませんが、底板にブライドルレザーの床革を仕込んでいます。

かなり硬いですが、革なので割れたりせずある程度柔軟に形が変わるだろうと思い、ちょうどあった床革を入れました。

また、底鋲を中央と四隅の5か所につけることで、地面に置いたとしても、底が擦れないようにしています。


イメージ 2
イメージ 4

内側には裏地を入れています。少しのポケットを作って、小さなものを入れれるようにしています。

口部分は裏にも革を張って強度を保たせています。

イメージ 3
中のサイズはB5サイズの本が余裕をもって入る大きさにしています。

で、ここまで完成が遅れた理由に、体調不良と道具が壊れたことを以前掲載しましたが、これの完成までに、菱きり1本と縫い針4本がダメになりました…

あまりに同時に折れたので、寿命だったのでしょうか?

それと、もう一つが構造のややこしさです。これによる材料の入手がなかなかできなかったというのもあります。

イメージ 8
取手の根元の本金カシメを打った部分が問題でして、

カシメを打つ部分を試しに作ると、革が4枚と裏地が重なっているのですが、上の写真のように9mmを超えます。

まず、この足の長さの本金カシメが見つからない。

最終的にはよく行くレザークラフト店に相談したところ、協進エルやクラフトからは出てないけれども、名古屋にある装飾パーツを扱うお店にあるかもということで、そこに聞いたところ…

本金カシメの11.5㎜と12.5mmがあります、というご返事が。11.5㎜を購入しました。

そして、9mm超という厚さのせいで、一気に穴あけポンチで貫通することができない。

結局、一枚穴あけ→次の革の一部分のみ接着→しるしづけ→穴あけ

といった作業を繰り返して作りました。

もし、外側もしくは内側に取手の根元が見える形なら4工程位なのですが、最小限の金具しか表に出ないようにしたため、ここの部分で10工程以上に作業が増えてしまい、なかなか時間がかかってしまいました。

で、できあがった取手の根元がこちら、

イメージ 7

本当に苦労しました。

イメージ 9

縫うのも一番厚い所はこのような厚さなので大変です。

実際作業にかかってから、約3ヶ月ほどの製作でしたが、実質の作業時間だと2週間ぐらいでしょうか。

なかなか、ここまでの物を作るのは大変ですが、完成すると充実感があります。

色々と協力、またご相談に乗っていただいたレザークラフト店やメーカー様、ありがとうございました。(完成後に掲載許可を頂いてはいないので名前は出していませんが、もし許可取れたら編集してお出しするかもしれません)

また製作途中に撮ったコバ部分の写真は別の機会に掲載したいと思います。

で、こちらはヤフオクに出品!

ではなく、家族へのプレゼントとなります。喜んでもらえてうれしいです。

次回こういう鞄を作る際は、もう少し簡略化を図ってみます(いったいいつのことやら…)

次の私的な製作はいくつか考えていますが、まずはヤフオク用に出すもののプロトタイプやシステム手帳 バイブルサイズ ベイカー社 フルグレイン ブライドルレザーが落札されたのでこれを新たに作成したいと思います。(ご落札いただき、ありがとうございました)

ついでに、システム手帳の売り上げで新たな道具を買ったので、またそのご紹介をしたいと思います。

ではまた

特殊サイズ ブックカバー プルアップオイルレザー 赤

次回予告していたルガトショルダーはもろもろの事情により、少し完成が遅れそうです。

理由は道具が壊れたことと、腰痛が…

それ以外で簡単な仕事として、特殊サイズのブックカバーを依頼されたため、それだけ製作していました。

使用レザー:プルアップオイルレザー 赤 1.2㎜厚

縫い糸:ナイロンボンド糸 赤

依頼内容:通常サイズではないブックカバー、辞典のような分厚い本(4cm)に対応したカバーで、柔らかい革で製作してほしい。

という依頼でしたので、プルアップレザーの1.2㎜に漉いたものを使用しました。

もともと1.7㎜厚でも柔らかったのですが、漉いたものはさらに柔らかく縫う際にかなり気を使って縫わないとすぐに伸びてしまうような感じでした。

で完成品がこちら

イメージ 1

きっちりとしたサイズで作りましたが、柔らかいのですぐに馴染んでいくかと思います。

イメージ 2

内部はシンプルな作りです。ですが、内側のコバも磨いてあります。

イメージ 3

外のコバはWA染料の赤で染色後にコバワックス→焼き鏝→レザーバインダー→レザーフィックスで仕上げました。

染料の赤が濃く発色するとともに、しっかりと硬くなり、同時に防染性もあります。また、コバが荒れても補修することができます。

イメージ 4

全体の写真です。若干暗めに撮影されていますが、陽のあるところで見ると、ハッとするような赤色です。

長いことが愛用していただければと思います。近日中に納品予定です。
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